木造=住宅だけ、はもう昔話。 法改正と技術進歩で“木造建築”が大幅進化!
こんにちは、セイコーハウジングの元木です。ここ数年、倉庫や事務所、クリニック、店舗などで「木造建築」が注目されています。大阪・関西万博の「大屋根リング」が世界最大の木造建築物としてギネス認定を受けたことも、木造建築のポテンシャルが世界レベルで示された出来事だったのではないでしょうか?
(写真出典:EXPO 2025 公式サイト「大屋根リング」ページ )
ではなぜ今、 木造建築 が注目されているのか?
このコラムでは、技術の進歩や国の動きなども踏まえてやさしく説明していきたいと思います!木造住宅のイメージがきっと変わると思います...!
大規模木造建築とは?
鉄骨やRCではなく木を主材料にした中大規模の建物を指して「大規模木造」と呼ぶことがあります(法令上の厳密な定義語ではありません)。2021年の法改正で、木材利用の促進対象は公共から民間まで拡大。目的には脱炭素の実現も明記されました。さらに設計者向けの「中大規模木造建築ポータルサイト」が公開され、標準図や事例を横断的に検索できるなど、国の後押しが進んでいます。
◎徳島の大規模木造建築の先進事例:日本初の“あらわし”木造4階共同住宅
徳島市の新浜町団地 県営住宅2号棟(2023年竣工)は、2019年に改正された建築基準法によって日本で初めて実現した、「あらわし木造4階建て県営住宅」です。
330㎜角の大断面集成材の柱・梁を内外にあらわした軸組構法で、今後の中高層木造建築への応用と展開が可能な普遍性と、敷地に根差す地域性を同時に合わせ持つ、新しいモデルとなる建築であり、2050年の「カーボンニュートラル」実現に向けた「先進的な木造建築モデル」として全国から注目を集めています。2023年にグッドデザイン金賞も受賞しております。
(写真出典:徳島市 公式サイト徳島県新浜町団地県営住宅 お知らせページ )
◎今、“木造建築”が選ばれる4つの理由
1) うまく設計すれば、トータルで賢いコストに◎
木は自重が軽いため、同規模でも基礎・地盤改良の負担を抑えやすいケースがあります(用途・地盤条件により差あり)。構造計画と積算で全体最適を狙うのがコツです。※資材市況は変動するため、都度の積算が前提です。
2) 技術の進歩で「大空間」が現実に
- 集成材(GL):薄板を重ねた強い木材
- CLT(直交集成板):板を直交貼りにした“面”で支えるパネル
- 木造トラス:三角の骨組みで、柱を減らしつつ剛性を確保
これらの活用で柱の少ない広い空間が可能になりました。セイコーハウジングでも木造でこのようなクリニックの建物を施工しました。
3) 「木は傷みやすい」は誤解!
長持ちの基本は、雨仕舞い・通気・防湿。国交省の技術資料でも、防湿層と通気層の確保が要点として示されています。さらに長期優良住宅の枠組みを活用すれば、耐震・劣化対策・維持保全まで、長期利用の設計・点検計画を作れます。
◎対策のポイント
- 躯体(建物の骨組み)を外に出さない設計
- 内部結露をおさえる断熱・通気の計画の徹底
- 白アリ・防腐の対策
4) 国の補助金制度あり
2025年度(令和7年度)も「優良木造建築物等整備推進事業」が公募されています。中大規模木造の普及枠/先導枠が用意され、要件を満たすプロジェクトに補助があります(募集時期・条件は年度で変動)。計画初期に最新要領を確認しましょう。
(参考:優良木造建築物等整備推進事業 公式サイト )
◎よくある質問
Q. 火事に弱くない?
A. 基準に適合した耐火または構法・設備等に配慮した準耐火で設計します。中大規模木造向けには「火災時/避難時倒壊防止」「周辺危害防止」「延焼防止」など、設計思想ごとの手法が整理済みで、スプリンクラー等の設備計画と区画計画を組み合わせ、安全性を担保します。
Q. メンテナンスは大変?
A. 通気・防湿・点検を前提に設計すれば、むしろ計画的に維持管理しやすく、制度面では長期優良住宅の維持保全計画に沿って定期点検・記録を行うことで、長寿命化に寄与します。
Q. 本当に広い空間ができるの?
A. 具体例として、CLTで18mスパンの講義室が実現済みであり、体育館や多目的ホール、物流にも応用可能なスケール感です。
◎住宅の他にどんな建物と相性がいい?
- クリニック/薬局併設:温かみのある内装と音・動線計画の両立
- オフィス/コワーキング:木質化で働く環境の満足度向上
- 保育・教育施設:木質空間の心理的効果+衛生・安全計画
- 倉庫・店舗:大スパンを活かしたレイアウト自由度
用途により防耐火・遮音・設備荷重など設計配慮が変わりますので、信頼できる工務店さんなどに早めに相談しておくことをおすすめします。
◎大規模木造建築ポイントまとめ
- コスト最適化の余地:軽量ゆえの基礎・地盤の効率化=“全体最適”で検討
- 技術で広がる空間:CLT・集成材・トラスで大スパンが現実に(例:18m)
- 長期利用可能:技術進歩と適切なメンテナンスで長期利用可能。制度面は長期優良で後押し。
- 補助金活用:法改正で民間にも拡大、補助事業も継続運用。
このコラムをお読みいただき、木造建築へのイメージが少し変わったのではないでしょうか。
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次回のコラムでは、セイコーハウジングがこれまで手掛けてきた大規模木造建築の実例をご紹介予定です。より具体的にイメージしていただける内容をお届けしますので、お楽しみに。
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