土地探しで相続の話をする事もありますよ。

こんにちは、不動産部の平です。

最近、土地探しのお客様でミドルエイジの独身の方に、時々遭遇します。

土地探しはほとんどのお客様が、家を建てるための土地探しですから、その動機は、子供が小学校に入る前にとか、子供に自分の部屋を与えてやりたいからとか、子供のことが動機になることが多いです。

ところが、独身の方で土地を探して家を建てるという方は、もちろんその動機は子供ではないです。

独身でも単身世帯の方もあれば、高齢の親と同居している方もいらっしゃいます。親の最期をきちんと看取ってやりたいと介護のしやすい家づくりを考える方もいれば、今まで独身でずっと気楽に賃貸暮らしをしていたが、そろそろ落ち着きたいからとか、その動機は個々人で違います。しかし、よくよく話を聞くと共通していることがあります。

それは、自分の老後を考えていらっしゃるという事です。そして老後だけでなく、自分が死んだ後のことを考えている方がほとんどです。なぜか、それはやはり、独身で子供や配偶者がいないと、自分が死んだ後、自分の住んでいる家や財産をだれに渡すか?という事を考えるのです。先月土地の仲介をしたお客様は50代の独身男性でしたが、もうすでに遺言書を自分で書いて、大事にしまっていて、時々見直しているとおっしゃってました。

これと似たような流れで、独身の方の土地探しをするときに、そのお客様と相続関係の話をする事が案外多いのです。そういう中で、相続という自分が死んだ後のことを考えるときに、間違った情報を持っている方が非常に多い。今は、テレビ・ラジオだけでなく、ネットという情報取得手段がありますので、自分でたくさんの情報を得ていらっしゃる。

 

自分自身でできるだけしっかりと情報取得して勉強し、実践することは何においても重要なことだと思います。ただ、相続に関していうと、一人で勉強していくのは少し危険を伴うと思います。ネットで調べても、本屋さんに行っても、本当にたくさんの情報が並んでいます。だから簡単に、専門家しか知らないような、相続税の事や相続手続きの事、そして相続対策の知識が得られます。

 

しかし、相続対策としてA,B,C・・・・と並んでいる知識もそれぞれ個々の相続のケースにより、使い方次第で正解だったり間違いだったり、或いは残された家族に争いを起こさせたりするような結果を生む事柄が多いのです。「生兵法は怪我の元」ともいうように、相続対策として学んだことを何かやろうとする場合は、必ず一度専門家に相談してから実施されることをお勧めします。

 

また、法改正は小さいものは毎年のようになされていますが、特に昨年、40年振りの民法改正といわれるような改正案が決まって、今年以降順次施行されていく制度の中には、新しい制度がいくつもあります。これらの改正の前に書かれた記事が、今のタイミングでは多いので、注意が必要です。古い記事・情報も多いのです。

 

前記した男性と話していた時に、自分が書いた遺言書を後で少し訂正したとおっしゃったので、訂正後、その訂正した用紙の余白に、「第○○行、3字抹消、4字追加という風に書いて、署名していますか?」と聞くと、「え、間違った個所に線を引いて訂正し、印鑑を押しておくだけではダメなんですか?」とびっくりしていました。残念ながらこの訂正の仕方では、遺言書は無効になってしまいます。また自筆証書遺言がすべて手書きでなく、財産目録だけはパソコンで作ったものや、通帳のコピー、不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)のコピーでもOKとこの1月からなったことや、来年の7月10日から、法務局で保管してもらえるようになったことは知らないままでした。

 

ネットや書誌に載っている情報の出所やその期日なども必ず確認することが大事ですね。いずれにしても、相続関連の事をご自分でやろうとする場合は、相続を業務としている専門家に必ず相談をしながら、実行してください。

 

※新制度:【自筆証書遺言】を法務局で保管をしてくれるようになる

遺言には現在、主に2種類あって、自筆で書き、自分で保管しておく「自筆証書遺言」と公証役場へ行って作成し、公証役場で保管してもらう「公正証書遺言」の2つがあります。

公証役場に行って、証人の立ち合いのもと公証人に作成してもらう「公正証書遺言」と比べ、すべてを自筆で書いて自分で保管する「自筆証書遺言」は、作成が容易ではあるものの、その効力を発現させるために、相続発生後、開封する前に、あらかじめ家庭裁判所で検認を受けねばならず、書式に不備があると無効になってしまいます。また遺言書を書いていることを相続人に告げていない場合、遺言書の存在を知られずに遺産分割が終わったりする可能性もあります。逆に、特定の相続人に遺言書の存在を知らせることで、その遺言書を隠されたり、改ざんされたりする可能性もあります。作成は簡単でも、その保管や相続後の遺言の実現が難しいという問題があります。

このため来年から、自筆証書遺言を法務局に申し出て保管してもらえる、新しい制度が始まります。

 

下記に、法務省が出している新制度説明用のパンフレットの一部を掲載します。

自筆証書遺言の保管制度

<平、補記>

〇この制度が始まるのは、2020年7月10日からです。

〇自筆証書遺言は財産目録以外は、必ず自著し、ページごとに署名・押印が必要です。

〇住民票の住所か本籍地をを管轄する法務局か、財産となる不動産を管轄する法務局かで保管してくれます。

〇保管の申請はその法務局に、必ず書いた本人が、封をしていない遺言書を持参する必要があります。

〇書き方を間違えたり、押印がなかったり、日付が不明だったり、訂正の仕方が間違っていたりなどの自筆証書遺言としての書式の不備を保管申請時に法務局でチェックしてもらえます。

〇法務局でなく、自分で保管していた自筆証書遺言は開封する前に相続人の立ち合いのもと家庭裁判所での検認という作業が必要で、この検認を受けていないとこの遺言書による相続不動産の名義変更登記はできないことになります。

〇法務局が保管する遺言書は映像データとして保存されるので、相続発生後はどの法務局からも閲覧可能です。

〇遺言書の存在を知らない相続人がいても法務局から通知されるので書いた本人も安心です。

〇この法務局への保管申請の料金はまだ決まってないようです。

 

以上。「相続支援上級コンサルタント:平忠彰」