これから土地を買う方、子供に迷惑をかけないでください。

売買契約書をなくすと、将来大変なことになりますよ。

シリーズで書き続けている「失敗しない土地探しの秘訣」も最終の売買契約の部分に入ってきました。今日はちょっと一休み。その売買契約書に関連することをひとつお伝えしようと思います。

最近は、土地を買う方がめっきり少なくなってきた気がしますが、売却の希望者は以前より増えているかもしれません。政府の発表とは違い徳島では世情の通り景気はそれほど良くはなく、大金を投じて、土地と家を購入しようという方々より、家や土地を売りたいという方の方が多いのが実情です。

その売るときの話になってしまうのですが。

 

このブログを読んでいる方々は、殆どが土地探しをしている方々だと思います。だから、「売る話は俺には関係ないよ。」と思われるかもしれません。しかし、買う時、或いは買った後に気を付けていないと、自分の子世代が大変な苦労を背負うことになることがあるのです。

やっと見つけて買うことになったその土地や建物ですが、数十年後訳有って売るかもしれない。遠い将来、自分ではなく、自分から相続した子供が売るかもしれない。まさにその時、自分たちが恨まれるのか、感謝されるのかという大きな違いを生むことがあるのです。だから、土地探しをしている、これから不動産の売買契約をしようという方にこそ、今から書くことをしっかり頭に入れておいてほしいのです。

 

◎譲渡所得税

最近、当社に売却の相談に来られる方々の対象物件は、殆どが相続した土地や建物の話です。たいていは、数十年前に親世代が手に入れた土地や建物ですから、そのまま売ることは難しく、境界確定や建物の解体等、売主としては面倒に思えることをいろいろとやらねばなりません。そういう作業を終えて、やっと最終の引渡の時を迎え、所有権の移転登記も済ませて、代金を受け取って、やれやれと安堵します。買主の方は、これから家を建てるわけですから、「土地の事は終わった」と、スーツと気持ちは家のことに行ってしまって、土地のことなど、もうほとんど意識に上りません。

 でも売主はどうかというと、翌年の確定申告を終えないと、売却という事業が終わったわけではありません。というのも、不動産を売った翌年に支払う所得税は、かなり高額なものになるからです。

◎契約書がない!!

売ったとしても、利益が出ない限り、所得税は取られることはありません。利益がなければ所得がないのですから、当然です。しかし、相続した不動産を売った方のほとんどが、その不動産の売買契約書など、親がその不動産を手に入れた時の価格を示す書類を持っていないのです。するとないはずの利益が出てしまうのです。

 

売却した時の利益(もうけ)である、譲渡所得というのは下記の算式で計算します。

 

譲渡所得=売却金額-(取得費+譲渡経費)-特別控除額

 

この式で計算した譲渡所得に対して、20.315%(0.315%は復興税)という税率をかけた金額を支払う必要があります。

話を簡略にするために、土地の売却で考えましょう。

 

上記の式の取得費というのが、自分が相続してから売ったその土地を、親が取得(購入)した時の金額です。

譲渡経費というのが、例えば建物を解体して売ったとしたら、その解体費、或いは土地の境界確定と実測をしたとしたならその費用、そして、仲介してくれた業者に払った仲介料など、売却するためにかかった経費です。この取得費と経費を売却した金額から引くことができます。

特別控除額というのは、例えば自分が住んでいたマイホームを売却した際に3000万円までは、無税で良いですよというような、ケースごとにいくつかある控除額です。

 相続した土地であれば、あまりこの控除額が使える方はいないかもしれないですね。

 

それより、何より、親がこの土地を購入した時の金額が問題なんです。そうです。取得費とする金額です。

何十年も前の話なので、その売買契約書がきちんと保管されていることが少ないのですよね。必死になって探しても、見つかることが少ないのです。

となると、どうなるのか?

◎取得費不明の時の5%ルール

実際の取得費の証明ができず、不明な場合、5%ルールというものが適用されます。「売却価格の5%を取得費として引いていいですよ」というルールです。あるいは相当昔に親が手に入れた土地で、その時の価格は今の売却価格の5%より小さい場合は、この5%の価格を取得費として計上できます。

 

この夏に南矢三で仲介して売却した中古住宅の例を挙げると。築32年の平屋の住宅でした。建物はほぼ償却済みでしたが、土地が120坪あったので2,280万で売却しました。売主は更地渡しでも良いと言ったのですが、買主は古い平屋を自分なりにリノベーションして使いたいとそのまま買い取りました。

売主は45歳、自分が小学校の時から高校まで暮らした家なので、愛着があった家でした。しかし、自分は大学の時に県外に出て、そのまま関東の方に生活基盤を築き、既に家も建て家族も一緒に暮らしているので、今から徳島に戻ることは考えられず、相続はしたものの売却する以外、処分方法がなかったのです。父親が土地の所有権を登記したのは昭和62年。まだバブル絶頂期ではなかったものの、土地がどんどん値上がりしていた時代です。バブル絶頂期には南矢三でも坪55万くらいはしていたので、おそらく坪30万、40万円くらいはしていたのではないでしょうか?

しかし、いくら探しても土地を買ったときの契約書は見つからずじまいでした。見つかれば明らかに今回の売却金額より、高い金額で購入した土地です。となると、当然譲渡所得はマイナスで、所得税はかかりません。

しかし、売買契約書が見つからなかったので、5%ルールの適用です。

2,280万円×5%=114万・・・・が取得費です。

仲介料などその他の経費が合計100万ほど。従って譲渡所得は2000万を超えています。

したがって、2000万円×20.315%=406.3万円で、400万円以上の所得税を払わねばならないのです。契約書があったら、ゼロだった税金が、契約書がないばかりに支払う税金が400万円以上。

これは大変な差ですよね。

 

これから、土地を買うために、売買契約をしようとしている方、くれぐれもあとに残す子供たちのために、その売買契約書は大切に保管し、子供達にもすぐにわかる形で保管方法を考えましょう。

株式会社 セイコーハウジング 不動産部 平忠彰 

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