「失敗しない土地探しの秘訣」第12回 自分がどんな土地が欲しいのかわかっていない

皆さん、こんにちは。(株)セイコーハウジング 不動産部の平です。

今回は、物件はあるのに、なかなか土地が決らない場合の、2つの理由の内の、前回お話ししたのとは違う、もう一つの理由について書いてみたいと思います。

 

このメールの1回目に、まず土地を探す前に、しっかりと資金計画を立てましょうという話しをして、その資金計画に当たって、住宅ローンに関して何回かに分けて書きました。今回の話しの前提として、資金計画はきちんと立てる事ができたとしましょう。

しかし、資金計画さえきちんと立てれば、土地が見つかるかというとそうは行きませんね。まずは土地を探す前提が整ったと言うだけです。

 

さて、早速土地探しを始めるわけですが、その前に、自覚して欲しい事があります。

 

それは、多くの人が、自分が本当に欲しい物を知らないという事です。

 

「え~、そんなことないよ」

と思います?

確かに、家を建てる土地を探している。

そう、それは分かります。

 

私のお客様でも、ご来店頂いて、話していると

「もう2年も探しているんですが、なかなか良いところが無くて」

「もう何件ぐらい土地をご覧になったんですか?」

「うーん、もう2~30件は見てると思います」

というようなお客様は案外多いんです。

 

そんな時、こんな質問をするんです。

「外食する時のお店はどうやって決めてますか?」

と聞くと、そういうお客様は「時と場合によりますね」みたいな答えがほとんどで、はっきりと「こういう風に決めます」と言える人が少ないです。。

 

時と場合によるとはいっても、実際は何も決めていないんですね。条件を。

本当に今から食べに行くとしたら、

まず、「何を食べたいのか?」麺類?魚?肉?・・・和食?イタリアン?フレンチ?

「誰と行くのか?」 友人?恋人?上司?同僚?奥さん?

「何人で行くのか?」 2人?3人?5人?10人?・・・・

「目的は?」   おなかを満たすため?話しをしたいため?接待するため?・・・

「予算は?」 一人当たり・・・1000円?3000円?10000円?・・・・

これらの条件がはっきりしていれば、それほど時間をかけず直ぐに決るはずです。決らないというのは、条件がはっきりしてないからです。

 

土地探しも同じなんです。1年経っても、物件を何十件もみても、決らないというのは、条件を決めてないからです。

土地探しの前に、あなたが自分で考えて決めておくべき事は5つです。

 

その内の一つめは、既に書きました資金計画をしっかり決めるという事ですから、改めては書きません。前の私のメールを読んで下さいね。

 

ではその二つめです。

あなたは不動産のどんな価値を重視していますか?

土地や建物は大きいものではあっても、消費するものの一つと考える方ですか?それともその周辺の環境や自然も含めた大切な財産と考える方ですか?

言い換えると、日常生活の利便性を優先するのか自然環境を優先するのかという事にもなります。

 

日常生活の利便性を優先すると、市街地の中で、駅やバス停にも近く、買い物も便利なところ・・・という風になります。こういう場所は多くの人が住みたがります。という事は売れやすい土地という事であり、財産価値の高い土地です。

 

逆に、自然環境を優先させると、中心部から離れた郊外の静かな場所になります。こういう場所は、官公庁からも遠く、近くに病院もなかったり、買い物も車がないといけないなどなど。生活の利便性は市街部と比べると低い所。当然、価格は安いですが、売る時もなかなか売れにくい土地という事になります。つまりは財産価値の低い土地です。

 

あなたは、どちらを選びますか?ご自分の価値観で決めて下さい。

 

勿論、生活の便が良くて、自然環境も良いところという気持ちは誰にもあるでしょう。でも自分がどちらを優先させるのかはっきりと決めておかなければ、土地探しでは混乱するときがあります。あなたが土地がなかなか決らないという事なら、まずはここをしっかりと選択しておくことも大事です。。

 

でも、あなた一人が住む家ではないですよね。奥さん(御主人)とお子さんと、そしてお父様お母様もご一緒?この際ご両親とお子様には、あなたが主になって家を建てるわけだから、妥協してもらう事として、問題は奥様(御主人)です。たとえ、ローン契約上の連帯債務者になってはいないとしても、これからの家計を共同でやりくりするわけですから、実質的に連帯債務者となるのが、奥さま(御主人)です。

 

 夫婦は縁有って一緒になった二人ですが、互いに育ってきた環境が違いますから、自分が住む家の環境に関しては、価値観が違っています。

 新居の建築に当たって、その場所の選定に当たっては、しっかりと話し合って下さい。でないと、新居での生活が始まった後、些細な事でもめるたびに、「だから私が言ってた様に、あの○○町の土地に建てた方が良かったのよ」なんて、云われ続ける事になりかねません。

ですから、やるべき事の三つ目は、価値観の摺り合せなのです。

 

これをやるには、こうして下さい。一度、ご自分の新居に対する希望を、それぞれ全部書き出します。

 

例えば

・広さ

・地形

・土地の向き

・道路状況

・近隣に欲しい施設(買い物、病院etc)

・近隣にあって欲しくない施設(ゴミ焼却場、葬祭場etc)

・交通の便

・教育環境(学校、図書館etc)

・周辺自然環境

・場所

・期限(いつまでに)

・その他

 

  • 上記のような、ご自分の希望と奥様のご希望をそれぞれ全部を書き出します。

たぶん、10~15位の条件は出てくると思います。

 

  • その一つずつを奥様と確認し合います。

「私は、家の廻りに物置があって、時々は庭いじりもできる位の敷地の広さは絶対必要だと思う」

「いや、庭なんて贅沢だよ、お互い通勤には車を使うんだから、2台の車が出し入れしやすいように、できれば来客用に3台駐められるスペースを優先して取るべきだよ」

「いや普段2台しか使わないのなら、もう1台分なんて入らないわよ、その分庭にしましょうよ」

という具合です。でもくれぐれも「それはおかしい、おまえはおかしいよ」なんて決めつけないで下さいよ。あくまで意見を言い合って、それを擦り合わせていくのだという思いを持ってやって下さい。くれぐれも夫婦喧嘩しないように。

 お互い違って当たり前なんですから。価値観の摺り合せをしていくのです。お互いを尊重し有って進めて下さい。

そうやって、全部の項目で摺り合せができたとしたら、最後にもう一つやって欲しい事があります。あ、どうしても意見が合わないという項目があったら、それは無理して一致させなくても良いんですよ。全部一致する方が珍しいですから、でもお互いを知り合う絶好の機会になると思います。

 摺り合せの後に、やって欲しい事は、順位付です。

そうやっていくつもの項目に対して価値観の摺り合せを行ったら、その項目の内、どれを最も優先させるのか、そして次に優先させるのは何かと、順番を付けてみて下さい。

 そうすると、意外に思える結果が出るかも知れません。

 

「俺は、自分では、自然環境の良いところこそ住みたいと思ってたんだが、土地の広さや道路付にこだわっていたんだな」

「私は、庭が欲しいと思って土地の広さを一番に自分では思ってたけど、結局、周辺の環境を一番気にしてたんだわ」

・・・・というように。

 

土地探しをする上での「あ、そうか」「あ、そうなんだ」と言う気付きですから、これを私は、土地探しの「アハ体験」と呼んでいます。

 

蛇足ながら付け加えておきますが、十数項目の希望条件の内、3~4の項目を満たす物件が有れば、購入候補としてみるべきです。全部、いや10項目でもそれを全部満たす物件というのは皆無のはずですから。

 

今回は、土地探しをする上でのポイントの二つめ、希望条件をはっきりと掴む、その上で自分の伴侶との価値観の摺り合せを行うという話しをしました。次回は土地探しの前に決めておきたいポイントの4つめ、5つめの話しをしましょう。ではまた。

 

株式会社 セイコーハウジング 不動産部 平忠彰