「失敗しない土地探しの秘訣」 第9回   安くても買ってはいけない土地

皆さん、こんにちは。セイコーハウジングの平です。

前回までで、経費のことも踏まえて、住宅ローンをどう選ぶかをある程度考えて頂けたでしょうか?

さて今日からは、実際に土地を探していくときに、どんな点に注意して土地を見ていくかという話に入っていきましょう。

土地に割り振れる予算はだいたい掴めたのではないかと思います。まだそこが見えてない方は、この「土地探しの秘訣」の一連のブログの1回目に戻って、土地の予算を出して下さい。それが出来ない内は、具体的な土地探しに入らないほうが良いでしょう。

予算がはっきりしたら、今度はその予算の中で、より良い土地が欲しいと考える、またできれば安く買いたいと思うのが人情というものですね。 でも安くても買わない方が良い土地というのがあるんです。今日はその話しをしましょう。

◆1番目は、斜面の造成地です。

私の知人で、自分が住んでいる賃貸住宅の傍で新規の分譲地ができ、価格も意外に安かったため、急いで、購入を決めた人が居ます。眉山の斜面の部分を造成し、新規の住宅地として売り出した数十区画の分譲地だったのですが、周囲の友人の中には、「あそこは危ない場所じゃないのか」と口にする人もいたと云います。危ないというのは、地盤がもろそうだと周辺を見て直ぐに分かったからです。

斜面を造成するような場合、よほど地質調査などを綿密にした上で、しっかりとした造成工事をしないと、崩落や沈下の危険があります。

非常に気の毒な話ですが、その知人がその土地を購入して家のプランニングをしている時期に、早くも地盤の崩落がはじまり、買った土地の地面は波打ってきました。当然の事ながら知人は、販売会社に契約の解除と代金の返還を求めましたが、既に売却区画は相当数にのぼっており、購入者全員が訴えを起こしたため、販売会社が困窮した上に最終的に倒産してしまい、代金返還の目途が立たなくなってしまいました。。

今もその知人は、家を建てられない土地のために毎月ローンの支払を続けています。当然の事ながら、改めて別ローンを組む余力はなく、マイホームの夢は消えてしまいました。

こんな悲劇のヒーロー(ヒロイン)にならないように、自分の欲しいエリアで安いところが出たからと言って、買い急いではいけません。本当に安いかどうかは安い理由を確認しないとわかりません。

斜面を造成したような場所は直ぐに飛びついてはいけません。周辺の住宅の状況、地盤の状況などをしっかりと見て下さい。古くから家が建っているようなところはまず安心ですが、周辺に家が建ってないような所で、大規模に新しく造成分譲したような場所は確認の必要がありますね。道路などを歩いてみて、舗装が陥没していたり、カーポートのコンクリート面が沈んで割れたりしている区画のある造成地は避けた方が無難でしょう。また斜面のある部分は「土砂災害警戒区域」の指定を受けているようなエリアもありますので、県の「総合地図提供システム」などのネットで検索して確認してください。

斜面を切ってそのままその地盤面を使って造成している場合を「切土」、削り取った土砂を盛り上げて擁壁で囲っているような場合を「盛土」といいます。ひな壇になっている造成地では切土か盛土かは、一般の方が見ても分かりませんので、信頼できる業者に確認してみる方が良いでしょう。大規模な造成地であれば、国土交通省が公表している盛土造成地のマップで確認することも可能です。

http://www.mlit.go.jp/toshi/web/toshi_tobou_tk_000025.html

盛土の場合は、地盤沈下、或いは地震の時に液状化の心配が出てきます。

◆2番目に給排水の整備されていない土地です。

給排水設備のない土地は全部、絶対に買ってはいけない土地というわけではありませんが、前面道路に公営の水道本管が入っている事が買うための最低条件です。この本管から敷地内に引込工事をすればいいのですから。但し、引込工事と水道加入金で40~50万の費用が掛かる事を頭に入れて価格交渉をしましょう。

問題なのは、その土地に接している道路に水道管が来てない場合です。前面の道路の中へ本管を引いてくる工事を個人負担でやろうとすると現実的でない費用になります。百万単位の工事になりますので、やめた方が無難です。どうしてもその土地が良いという事なら、地下水を掘って利用することが考えられます。地下水を掘る業者さんに相談してみて、周辺で飲用水に使える地下水がどれくらいほれば出てくるかを聞いて、見積もりを取るべきでしょう。安ければ、本管から敷地へ。

また上水道だけでなく、排水の方も注意が必要です。古い住宅地で、道路が公道であっても古くからの住宅地の場合、道路の両側溝がないところもあります。あるいは真ん中にしか側溝がない道路とか。自分の敷地側に側溝がないと、公道を掘削する工事の必要がありますので、これもお金がかかります。市内ではそんな土地は殆どないのですが、郊外に行くと偶にありますので注意して下さい。

それから時々あることですが、周辺の住民は市(または町)の水道に加入して、公営の水道料金は払っているのだけど、道路に入っている水道の本管が、「個人代用管」と言って個人名義になっているところがあります。この場合、買おうとしている土地まで、水道管が既に引き込まれていれば問題ないですが、敷地に引き込まれていない場合は、この個人が所有する本管から、20ミリとか25㎜とかの管を自分の敷地まで引き込みさせてもらわねばなりません。そのために、この名義人から「分岐承諾」を頂かねばなりません。この場合、多くの場合、承諾料を請求されることになります。この名義人は自分で費用を負担して管を引いているわけですから、その管から分岐させるということで、いくらかの費用負担を求めるのは、自然だと思います。ただ、中には、非常に高額な要求をする方もいますので、要注意です。これは、契約の前に土地の売主の方で、分岐承諾をもらうなどの特約を契約書に入れるべきでしょう。

次に3番目に、買っては行けない土地として境界確定のできていない土地を挙げたいのですが、これは少し詳しく説明をしたいので、次回に廻します。

他に、買う時に注意すべき土地としては、周辺に嫌悪施設のある土地です。

この嫌悪施設というのは、個人の価値観にも関わってくる事なので、一概に何が嫌悪施設かというのは難しいのですが、例えば「火葬場」です。

その土地のどの方角にあるかにもよりますが、匂いの問題も出てきがちです。また同じような施設としてゴミ焼却場ですね。かなり離れた位置にあったとしても、その方角によっては煙や匂いの問題が同じように出てきます。

又これに似たものとして、産廃処理施設もありますね。周辺の土壌汚染が問題になっているような土地もありますので、注意して下さい。

他に嫌悪施設としては、暴力団の事務所などがあります。これなどは、信頼できる業者であれば、事前に伝えてくれるはずです。又話しには出なかったとしても「重要事項説明」を受ける時に説明をする義務がありますので、覚えて置いて下さい。

その他にも、安いからと言って、直ぐに飛びつくのはやめた方が良い土地というのは結構多くあるものです。土地を選ぶ時には、ある程度ご自分で情報を仕入れるはずですから、周辺の土地相場ぐらいは、調べた方が良いですね。高い安いの判断に役立ちます。また何十年も其処に住むことになるのですから、候補地が決ったら、その周辺の住人に一度声をかける位の慎重さは、持ちたいものです。価格も、その周辺相場よりあまりに安い場合は、必ずその理由がありますので、販売業者に、或いは仲介会社に納得のいく説明を求めて良いと思います。説明に納得できないようなら、避けた方が良いかもしれません。

じゃあ、今日はこの辺で。次回は今回、書き残した境界確定のできていない土地についてです。

株式会社 セイコーハウジング 不動産部 平忠彰