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空き家対策の新制度

世の中の動き 制度・政策の施工・変更

年明け、初めての書き込みとなります。ご無沙汰しておりました。
不動産と建築の業界では、この時期、年末に決まった今年度の税制改正の方向を見極めて、今年一年のお客様へのアプローチの仕方を考えたりします。税制改正により、住宅・不動産に関しては大きな影響が出ます。私たちも改正点をしっかりと踏まえて、動かねばなりません。もちろん、お客さまである皆さんこそこれを踏まえて動く必要があります。今年の税制改正大綱も決まりましたが、『安心してください。つづきます!』現在続いている、土地や建物に関する優遇税制は、ほぼ延長され、ほとんどがそのまま続きます。
 一方安心してはいられないこととして、首相も明言しているように、来年4月の消費税10%への引上げは、余程のことがない限り、実行される事でしょう。その半年前の今年9月までに建物の請負契約を済ませれば、たとえ家の引き渡しが来年4月以降になったとしても消費税8%のままで建築が可能となります。そのため、今回も9月までの駆け込み需要がいくらか起こる事が予測されます。
 土地・家の購入、或いは家の建築を考えている人は駆け込みの時期に重なってバタバタしないように、もうこの時期、1~2月から、動き始めた方が私は良いと思います。
と、書いてきましたが、今日は、買うという方ではなく、売りたい方のお話です。年明けから私は、立続けに、売却の相談を2件受けました。その両方ともに、売却の原因が同じ理由でした。親から土地を相続したが、自分では使わないから処分したいというものです。超高齢化社会になり、人が亡くなるのはかなり高齢になってからとなりました。従って相続が発生した場合、亡くなった方(被相続人)は80代や90代、必然的にその財産を相続する相続人である配偶者や子供も、すでに50代後半から60代。中には70代・80代の方も。
そうなると、相続人たちはすでに自分の生活基盤は既にできている人がほとんど。当然自分の家も土地もあるわけです。そこへ相続財産として不動産を持つことになっても、自分でその土地や家を使う必要性があまりないわけです。ですから、仕方なく、売却しようかということになる。
そうして当社へ、売却したいのだが…とやってこられます。ただ、この場合、売りたいともってこられる家や土地の半数位は、登記上はまだ亡くなったお父さんの名義のままとか、或いは相続後に兄弟姉妹で分けることができず取りあえず、兄弟姉妹数人で共有登記したというパターンが非常に多い。
まず第1に、亡くなった方の名義のまま、不動産を売ることはできません。所有者がいない土地や家ということになりますから当然です。ですから売却するためには、まずその不動産を相続する人を決めて、所有権の移転登記(相続登記)をしないと第3者に譲渡することはできません。。
そして第二に、共有登記の状態では、売買の契約交渉は難しくなります。
 共有登記してある財産としての土地や建物を売りたいと相談に来られるのは、たいてい相続人の一人です。一応その時に他の共有者の売却の意思確認は致しますが、依頼を受けて販売活動をしていると、実際に買う人が出てきてから、売主である共有者同士でもめることが往々にあります。契約の交渉時に、当然値下げ交渉が入りますが、この価格の値下げに共有者全員の合意がなかなか得られず、結局、契約ができないということも起こります。もともと分割の相談がうまくできなかったので取りあえず共有にしておこうということで、相続登記していることが多いので、実際に売れるとなった時に、お互いの利害が一致しないのです。そうなると、その不動産は売ることもできなくなり、なにもされないまま、放置された古い空き地や空家となっていきます。
 相続問題でもめたまま、何かに活用する事もなく、売ることもなく、貸すこともなく放置された空家や空き地は、意外に多いものです。徳島市内でもこんな理由で空き家になっている住居は、珍しい事ではありません。
 そうやってできてしまう空家や空き地を少しでも減らそうと、この4月より、新しい税制がスタートします。
◎空家に掛かる譲渡所得の3000万円特別控除(所得税・住民税)
 相続時から3年目の年の年末(12月31日)までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、その家屋を取り壊して更地にして土地として売った場合、またはその家屋に耐震リフォームを施して、中古住宅として売った場合、その家屋及び土地の譲渡所得から3000万円を控除できる制度です。
自分が住んでいたマイホームを売った時に使える3000万円の譲渡所得控除を、相続人でも使えるようにした制度です。3年という期限付きでこの制度を運用すれば、相続人たちはこの期限内に何とか売ろうとするでしょうから、少しは空家が減るかもしれないという事でしょう。
5年以上持っている不動産を売った(譲渡した)場合は、その譲渡所得に対する税率は20%となりますから、単純計算で3000万円×20%=600万円が浮くことになり、その損得は大きいです。
また、住宅のストックとしての資産の品質を高めるために、古い住居を売る場合に、耐震リフォームを施して売れば、この制度が使えるようにしたというところにも、国の意図が見えます。
 古くても、新たに耐震性を持たせるリフォームをすることにより、中古住宅を買う方も安心して買えるようになり、中古住宅の流通が、今迄よりもいくらか活性化するでしょう。私も古い住宅の売却を依頼された場合には、耐震リフォームをお勧めしますが、売却するものにわざわざお金をかけるということに関して、売主はなかなかYesとは言ってくれないものです。
しかし、この制度があれば、耐震リフォームをしてもそれ以上のお金(税金)が戻ってきますから、この制度を使う前提なら、手持ちがある売主はYesと答えてリフォームを実施して売る方が、得となるやもしれません。
この制度のポイントを少し説明しておきましょう。
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図及び下記ポイントの出典:全国宅地建物取引業連合会「平成28年度税制改正大綱の概要」
○ポイント1「相続発生日を起算点とした適用期間の要件」
相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日まで、かつ、特例の適用期間である平成28年4月1日から平成31年12月31日までに譲渡することが必要。
○ポイント2「相続した家屋の要件」
特例の対象となる家屋は、次の要件を満たすことが必要です。(区分所有建物は対象外)
①相続の開始の直前に置いて被相続人の居住の用に供されていたものであること。
②相続の開始の直前に置いて当該被相続人以外に居住者がいなかったこと。
③昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること。
④相続時から譲渡時までの間に、事業、貸付、居住の用に供されること。
○ポイント3「譲渡する際の要件」
特例の対象となる譲渡は次の要件を満たすことが必要です。
①譲渡価格が1億円以下
②家屋を譲渡する場合(その敷地の用に供されている土地なども併せて譲渡する場合も含む)
 当該譲渡時において、当該家屋が現行の耐震基準に適合するものであること。
上記のように、ポイントとなる要件が定められていますので、ご注意ください。