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昼休みに昼食を食べながらの2人のサラリーマンの会話

世の中の動き 仕事上で思うこと 環境問題 知識・教養

【※時間のない方は、読まないでください。長いです(笑)。】

木村:「立花先輩、最近えらく張り切ってますね。やっぱり二人目のお子様が生まれたせいですか?」

 

立花:「え、そう見えるか?自分ではそんなに意識してないが、二人目は男の子だったからな。父親として恥ずかしい仕事はできないと思いだしたのは確かだな。」

「木村、お前だって、結婚したばかりで笑顔が増えたぞ、それに動作の緩慢さが少し消えたような気がするな。」

 

木村:「そうっすかぁ?自分では変わってないと思ってましたが・・・・」

 

立花:「まぁ、お互い、家族のためにも頑張らにゃあかんという事や-。」

 

木村:「そうですねー。ところで先輩、先輩は家建ててからもう4~5年経ってるんでしょ?俺もそろそろマイホームを持とうかと考えてるんですよ。結婚したときに、双方の親から、結婚するんだから少しはいい部屋に代われと言われたんで、独身時代の1DKのアパートから、偶々貸しに出ていた分譲マンションの部屋を借りて、暮らしているんですよ。部屋は3LDKで、8階だから眺めはいいし、住み心地はいいんですけどね~、家賃が高いんです。8万5千円。それと二人とも仕事してますから、車2台必要で、1台はマンションの外で借りてるんで毎月合計9万円、住むためだけに掛かってるんですよ。妻が最近、『毎月9万払うんだったら、今の金利なら3000万は借りられるよ、もったいない。同じ払うなら、ローンを借りて家を建てて払うほうが良い。』と言い出したんですよ。俺も同感だし、何より、駐車場を借りるのが嫌なんですよ。自分の車を毎日、ひとんちに置いてるようで・・・」

 

立花:「毎月9万か!それは確かに高いな。俺が払っているローンの月払は92,000円だからな。ほぼ同じじゃないか。俺は5年前に1.1%の金利の時に35年払いで3200万借りたんだ。それで92,000円、毎月払ってるよ。」

 

木村:「へぇ~、そうなんですか?だいたい住宅ローン払ってる人は8万とか9万とかなんですかね?毎月の支払いというのは。」

 

立花:「岩崎部長から前に聞いたことがあるが、部長はもう20年以上前に建てて、25年払いで払ってたらしいけど、借りたころは金利は5~6%だったそうだ。最初は毎月の支払いも14~15万払っていたらしいぞ。俺たちの給料で、月15万なんてのはむりだよな。支払限度率を20%と考えれば年間の給料が900万はないといけなくなる。うちの会社で900万どころか、700万超えてる人も少ないだろう。」

 

木村:「何ですか?その支払限度率・・・てのは?」

 

立花:「返済限度率とも言ってるが、年収の何パーセントをローンの返済に充てられるか?という時の割合さ。」

「支払限度率20%という事は、例えば年収600万なら、その20%つまり120万、12で割ると月に10万だな。限度率20%で考えて、年収600万あれば月10万の支払い可能。金利が1.2%とすれば3400万くらいは借りられることになる。」

「銀行によったら、この限度率を25%や30%で話してくるところもあるから、気をつけなきゃいけない。年収500万とすれば、その25%で125万。つまり月10万以上返済能力があるとみなされて、3400万の借り入れでも大丈夫ですよ。と言ってくる。しかし年収500万でも、木村のようにまだ子供がいない世帯だと、扶養控除はないし、厚生年金や介護保険や何やら引かれるものが多いから、手取りはたぶん400万円無いくらいだろう。となると年収の1/3くらいをローンの返済に充てることになる。これはかなり厳しい生活になると思う。貸す側の話に乗せられないことだな。」

 

木村:「なるほど、今の生活で住居費に10万以上出せと言われたら、余裕がなくなるな。ヴォルティスグッズも買えないだろうし、それこそ、子供なんて無理無理ー!てことになるかも。」

 

立花:「だろう~。俺かて、今やっと550万を超えてきた給料で、毎月92000円払うのは、子供がいるといっぱいいっぱいだよ。俺の唯一の趣味はお前も知ってるようにバイクだ。家を建てるまでは同じバイクで2回の車検出したことはなかったんだ。それが今のバイクは来年3回目の車検に出さざるを得ないなぁー。新車への買い替えは女房が許してくれない。冬に備えて、グローブの買い替えさえ、女房にこっそりやんなきゃ、いけないよ」

 

木村:「え~、自分の趣味さえ、続けられなくなってしまうのかぁ~。やっぱり考えもんだな」

 

立花:「あぁ、よく考えてからな、特に家を建てた後の生活をしっかり考えてから建てることだな。ところで、木村はどんな家を建てようと思ってんだ?」

 

木村:「どんな家って?間取とか広さとかですかぁ?」

 

立花:「いや、家を建てたいという場合、自分の思い描く家があるだろう?単純に賃貸が嫌で、家賃がもったいないからというだけで、家を建てるってんじゃないだろう?もしそうだったら、金の支出に見合うだけの一戸建てであればいいってことだから、家・土地合わせて幾らって形で出てる建売住宅を買えば、早いじゃないか?」

 

木村:「いや、建売は嫌ですよ!」

 

立花:「なんでぇ?、家に対して金の事しか気にしてないんだったら、建売が手っ取り早いだろう?出来上がった家が見られるわけだし、家の中を見たら、そこで暮らす生活はすぐに思い描けるってもんだ。注文住宅みたいに、デザインから、間取りから、設備機器から、細かいところまで一つ、一つ決めていく煩わしさは全くないぞ、建売も最近は昔みたいに『安かろう、悪かろう』じゃないしなっ。」

 

木村:「いや、せっかく新しい家を手に入れるのに、少しは自分の思うように、建てたいですから、建売は嫌ですよ。」

 

立花:「そら、そら、やっぱりこだわりがあるんじゃないか! じゃ、そのお前の家に対するこだわりってなんだよ?」

 

木村:「そう問い詰められても困ってしまうなぁ~。いや、この話を俺がしたのも、家を建てて何年か暮らしている先輩に、どんな家が良いのか、またどういう風に建てるのが良いのか聞きたいなと思って、話したんですから~。逆に聞かれてしまったら困っちゃいますよ。正直、どんな家が良いのか、その部分を先輩に聞きたいと思ってたんですよ。『先輩の家は気持ちの良い家だよ』って事務の子たちも言ってたし、これから家を建てるとしたら、実際に建てた先輩に聞いてみれば、どんな家が良いのかわかるかな?って思ったんすよ。」

 

立花:「う~ん、『良い家」か、それは一言や二言で片付けられないものだな。というのも人それぞれ、自分の欲しい家というのは違うからな。もちろん人それぞれ予算も違うしな。』

 

木村:「じゃ、立花先輩が考える『良い家』というのはどんな家ですか?」

 

立花:「おっ!いきなり上段から振り下ろしてきたな!俺が考える『良い家』!か?」

「う~んっ・・・・、俺は家を考えるときは、主観と客観の2つの視点が必要だと思ってる」

 

木村:「えっ、なんか難しい話になりそうですね。」

 

立花:「あ、いやいや、俺が哲学的な人間でないことはお前もよく知ってるだろう。良い家とは何だ?といきなり大きなことを聞くから、大げさに答えただけだ。」

「まずは自分が何を望むかだな。自分が家に対して求める事が主観の視点で、もう一つは、自分でなく廻りを取り巻く環境というか、社会環境と自然環境を含めて、周りを取り巻く環境が今、家に何を求めてるか?という外からの視点という事だ。街は個々の家から成り立っているわけで、一人で或いは、一軒の家だけで決して生活することはできない。だから、独りよがりで、周りから疎まれる家や、周辺環境を害するような家は、良い家とは言えないだろう。考えようによっては、主観と客観からの見方、考え方がぶつかり合うこともあるとは思うが、良い家とは何か?と考えるときはこの2つの視点から考えるべきだと俺は思っている。自分で建てて、住んでみてはっきりしてきたこともあるしな。」

 

木村:「へぇ~、そうなんだ、主観と客観かぁ~。詳しく聞いてもいいですか?」

 

立花:「まだ昼休みは時間がだいぶ残ってるな・・・よしっ!」

まず主観だ、俺自身が家に対して求めること。これが満足されれば俺にとっては良い家になるという要素だな。これは、う~んと、3つ、いや4つあるかなぁ。」

 

まず第1は、家は、家族が集って楽しく過ごせる場所であること…という事だ。

俺のおやじは家を建てる前に、心臓で逝ってしまったが、おふくろはまだ60代で元気なんだ。だから、家を建てるときには、おふくろと同居する前提で計画を立てた。おふくろも喜んで少し資金援助してくれた。だから、二世帯が住む家を建てたにしては、少ない借り入れで済んだと思っている。

おふくろ一人だから、完全な二世帯住居ではなくて、おふくろの居住スペースを独立させた作りにしたんだ。今はほとんど必要性もないが、将来介護の必要があるかと思ってキッチンやバス・トイレなどの水廻りをおふくろの暮らすスペースに別に設けた。うちは夫婦共働きで、お互いの仕事時間が少しずれるから、夫婦と子供が一緒に食べたり飲んだり話したりする時間がなかなか取れない。今は、家におふくろが居てくれて、子供たちの面倒を見てくれてるから本当に助かってる。女房とは時々ぶつかることもあるが、おふくろの方が旨くいなしてくれてるよ。女房も本音では感謝してる。」

「だから、家族が一緒にいられる日や時間には、全員が一か所でゆったりくつろげる広いリビング・ダイニングが欲しかったんで、24畳のスペースを取った。俺は、家族全員が一緒に集まってワイワイできるゆったりしたスペースがあってこそ、家だという気がするからな。俺の両親は小学校、中学校の教師だった。おやじは部活の顧問で日曜日も出かけてたよ。だから小さい時に家族全員で食卓を囲んだ記憶がほとんどないんだ。そう思うのは、その反動かも知れんなぁ~。」

木村:「そうなんですかぁ、家族が一か所でくつろげるスペースねぇー」

 

立花:「第2は、家にいれば安心、家に着けば安心というような、安心感が持てるような家でないと嫌だな。」

「何百年に一度とかいう記録的な災害が来たら、そりゃあきらめるしかないのかもしれないが、ある程度の地震が来ても、少々大きめの台風が来ても、或いは隣の家のボヤくらいで簡単に壊れたり、燃えたりする家は嫌だよな。少々のことではビクともしないというような安心感のある家でないと嫌だ。」

 

木村:「なるほど、安心感ですかー。それは安全という要素も入ってますね。」

 

立花:「おっ、そうだな。安心・安全だな。」

「安心という事でいうと、もう一つセキュリティーの面の安心も必要だな。マンション暮らしの時はバイクを2度も盗まれたんだ。ちゃんとカギを掛けておいたにもかかわらず、軽トラックに積み込んで盗んだらしいと、警察の人が言ってたがな。バイクの保管が安心してできるスペースがあることも、俺が家を持つモチベーションの一つだったな。」

「高松のマンションに住んでた時に、隣の部屋に拳銃が打ち込まれたことがあった。後で聞いたんだが、暴力団の組長がその部屋に住んでたらしい。何度か顔を見たことはあったが、普通のおじさんだった。夜中に人の出入りが何回もあったんで、夜の仕事をしてる人なのかな?というくらいにしか思ってなかったんだが、組同士の抗争があったらしい。そういう面の安心もないと困るから、土地は、周辺の事も十分調べて買わないといけないな。」

 

木村:「こわ~!そんなんは勘弁してほしいな。絶対嫌ですよ~。」

 

立花:3番目は、健康だな!」

 

木村:「健康!?」

 

立花:「そうだ、健康だ。うちの会社は食品会社だから、人の健康については、熱心に研究してるだろ?」

 

木村:「そうですね。新人の研修期間中に、食と健康についての本はかなり読まされましたね。でも家と人の健康と言われると、結びついてるような、結びついてないような、はっきりと言えないですね。ここはこうという風に、明確な関連付けは、自分ではできてないですねぇ~・・・・」

 

立花:「今年の3月に3日ほど会社を休んだ、九州の俺の叔母さんが亡くなったんだ。おふくろとは仲の良かった妹なんだが、風呂場で倒れていたらしい。家族が明け方気づいたときには、バスタブに沈んでたらしいんだ。」

 

木村:「え、おぼれたんですか?」

 

立花:「違う、死因は心臓だった。叔母さんの家はもう築40年以上たった古い家で、風呂場が家の端っこの土間のようなところにあったんだ。あったかい居間から、急に寒い風呂場へ行って服を脱いで、今度は熱い風呂に入ってという温度変化に、血管と心臓が耐えられなかったんだろうな。」

「ヒートショックって、この前の近畿大学の先生のセミナー、お前も聞いてただろう。今は、交通事故で亡くなる人の数より、家の中のヒートショックでなくなる人の数が多いそうじゃないか。」

 

木村:「ああ、ヒートショックですね、思い出した。そういえば、近畿大学の先生が、家の中の部屋ごとの温度差をなるべく無くすように、家は建てるべきなんだと言ってましたね。」

 

立花:「そう、それだ。俺が建てた時は、実は部屋の温度差なんて意識はなかったんだが、俺が建築を依頼した工務店がOMソーラーというシステムを売りにしているところだったんで、頼んで施工してもらったんだ。太陽の熱を利用して家中の暖房ができるというシステムなんだが、家の基礎のコンクリートをお日様の熱で温めるから、結果としてどの部屋も暖かい。トイレだろうが、キッチンだろうが、和室でも洋室でも、家の基礎の部分から熱が輻射されるから、部屋ごとの温度差があまりない。1階と2階では若干違うけど、吹き抜けを大きく取った建て方なんで、それほど温度差は出ない。夜になって、お日様が沈んでからも本当に暖かいんだ。自分で住んでみて、家じゅうの温度差がないことの良さを実感してるよ。今度、保育園に行くようになる琉璃は、冬でもスリッパはかないからな。年中、家では半そで半ズボンだわ。」

「ここ最近、この部屋毎の温度差を無くそうと、いろんなメーカーから全館空調をする製品がたくさん出てきたのを知ってるが、まだまだ24時間全館空調をすると、エネルギーコストがかなり高くなるはずだ。でもこのOMソーラーは、お日様が出てるときは、お日様の熱エネルギーを利用するから、コストがかからない。本当に良いシステムだと思うよ。それと、床は無垢のカラ松の板張りにして、壁はホタテ貝からできたしっくい壁にしたから、家の中の体に接する部分のほとんどが自然素材でできている。だから家の中の空気がいつも気持ちいいんだ。湿度調整もこの床や壁がしてくれるからな。」

 

木村:「へぇ~、そうかぁ。だから総務の女の子たちが、先輩の家は気持ちがいいっ!って言ってたんですね。」

 

立花;「そうかも知れんなぁ。新築祝いで会社の人たちを何回か呼んだことがあるからな。とにかく住む人の健康を損なうような家は論外だ。できれば健康にしてくれる家に、俺は住みたいな。」

 

木村:「なるほど、住む人を健康にするのが良い家という事かぁ~」

 

立花:「そして最後の第4は、建てる人の負担の少ない家であること。これは、建てるときはもちろんだが、建てた後に生活をする上での負担も少ない家という意味だ。」

「どんなにいい家でも、これらの要素を全部満たすと家の価格が5000万円になりますと言われたら、俺らでは家を建てるのはあきらめざるを得ない。それだけの負担を背負って、人生を送るなら、賃貸生活をした方がましだ。以前と違って、今は賃貸住宅は空き室だらけなんだから、老人でも住めるところは増えていくはずだからな。」

「最初の話で出たように、やっぱり月10万円くらいまでの支払いが、俺は限度じゃないかと思う。だから、自己資金をなんとか500万位用意できると仮定しても、ローンの金利1.2~1.5%くらいであれば3500万前後くらいで、土地を買って家が建てられるという事にならないと、土地がない人は、安い建売くらいしか選択肢がないんじゃないかなぁ?」

「また、国が打ち出している家づくりの方向は、省エネ住宅だよな。再来年には、新築住宅の半数はゼロエネ住宅、つまり年間のエネルギー収支がゼロになるような家を建ててくださいと言っている。建てるときの支払うお金だけでなく、生活を始めてからの、家のランニングコストは、ローンを払いながら生活する人にとって非常に大きな負担の部分だ。なんせ、その家に住む限り続くわけだから。4人家族だと前に住んでたマンションでは、電気代・ガス代でだいたい年間30万以上掛かってたからな。これがゼロになると、生活はかなり楽になるはずだ。」

「省エネで暮らせるためには、冷暖房のエネルギーコストを抑えるために、家の断熱性は今より高める必要があるから、2020年には家の断熱性は義務化されるという話も聞いたなぁ」

木村:「家の断熱性能が大事ってことですね。この経済的負担の少ない家というのは、俺も十分納得できる点だなぁ。」

 

立花:「おっ、おい、こんな時間じゃないかっ、昼休み終わってしまうぞ、客観の視点の話は、また今度しよう!」

 

木村:「わかりました。今聞いた事、俺なりに考えてみます。ありがとうございました。」